迎接寺・聖観音菩薩坐像
[2010年3月19日]
[2010年3月19日]
下津屋の迎接寺に安置されているこの木像は、ヒノキの一材から彫りだしたもので像高は77.6センチメートル、平安時代前期、9世紀後半の作と考えられています。
現在、彩色は剥落(はくらく)していますが、凹部の随所に白土や、衣の一部には朱が残っていることから、もともとは、彩色像であったことがわかります。
像は胸を張り、腰の据わった堂々たる体型を示し、大ぶりな耳や広い足裏を見せる足先など、部分の強調が顕著にみられます。
この像は、室城神社の神宮寺(護国山神宮寺妙観院)の本尊と伝えられています。神社の神宮寺に安置されていた仏像は、明治初年の神仏分離によって破壊された例が多いなかで、この像のように近接する寺院に移されたとはいえ、保存のよい状態で残されていたことはめずらしいことです。
平安時代前期に遡る古作であることに加え、伝来のはっきりわかることは極めて貴重であるといえます。
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